元々、僕はすっごい不愛想なスタイリストでした。

一応、そこには理由というか、その時の自分なりの想いもあったんです。

それは「技術こそ全て」というものです。

結局技術がないから愛想よくして、また来てくださいね～ってやんなきゃいけないんでしょ？
愛想悪くしてても、あの人のカットが好きだからまたあの人に切ってもらいたいっていうのが、本来一番誠実なんじゃないの？

というある種の真理というか、一方的な思い込みというか。笑

その考え方自体は今も嫌いではないし、そう思うからこそ心の底から上手くなりたい、成長したいと思って様々勉強してトレーニングしてきたので、根こそぎ否定する気にもなれないというか、なんならみんなそこ一度は通っておいた方がいんじゃない位に思ってたりします。

そこから、僕も色々経験し、勉強し、お客様に選ばれて初めて美容師としての価値が生まれるという立場なのに、不遜な態度とること自体すごくおこがましいと思うようになっていきまして。

それとはまた別に、自分とのコミュニケーションから、不登校だった子が学校に行くようになってくれたり、モンモンと悩んでた事が軽くなったと言ってくださったり、自分にできる事はカットやパーマの技術だけじゃないんだなって少しずつ視野も広がっていきました。

そうこうしてるうちに、ko.mo.re.biが出来上がり、そこで過ごして頂く時間自体も価値のあるものに感じて頂きたいというサロンになり、イタい時期を経てそんなスタイリストに僕もなりました。

少しでも、生まれてきて本当に良かったと思って頂けるきっかけ作りができればな～と思いながら、今日も鋏をチョキチョキしております。