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化粧品の黒歴史
黒歴史って言葉が普及してしばらくたちます。
僕の好きな物語でもわけあって語られないネガティブな過去=黒歴史が物語の重要な背景になっていて、それが見る側をひきつける吸引力になってたりすることも多いですよね。
ナウシカ、ラピュタ、新世界より、ワンピースなどなど、挙げればキリがないのですが、作り物なら面白がることもできるものの、現実にも恐ろしい黒歴史はたくさんあるようですね。
それこそ戦時中なんかはここで僕なんかが軽はずみに語る事も許されないような事がたくさんあると思うんですが、化粧品の事を学ぶうちに、戦後何十年も経った近代日本でもとんでもない黒歴史があることを知ってしまいました。
昭和55年9月26日、当時の厚生省は、数多い化学薬品の中で『アレルギーを起こす恐れのある成分』を使用する場合は、その成分名を製品に表示するよう義務付けました。平成13年3月までに102種類が指定されたのですが、これを表示指定成分と呼びます。
時代背景として、公害、アレルギー、アトピーという言葉がたくさん聞こえるようになり、それへの対応としての決定なんだと思います。
当時、化粧品は厚生労働省の制度によって、『使用できる成分』と配合量が決まっていて、成分基準に基づいて商品化されていました。
しかし、平成13年4月1日より、規制緩和に基づいてその制度は廃止され企業の自己責任において、製造・輸入することが可能となり、今までに許可のおりていなかった成分配合の化粧品、外資系化粧品なども市販されることとなります。
表示指定成分の表示という消費者を守るための仕組みがなくなり、建前として成分の透明化である全成分表示が義務づけられたのですが、結局のところ、人体への悪影響となる成分がどれなのかの目安もなくなってしまい、企業の自己責任といっても、成分の全表示をした時点で製造者の責任は余程の事でもない限り(白斑事件や茶の雫事件など)なくなり、全てが消費者の自己責任という形になってしまったんですね。
「肌が荒れた?選んだのはあなたでしょ?ちゃんと成分は表示しましたが見てないんですか?」
みたいなことですね。
そもそもこの規制緩和の背景には力のある諸外国の圧力が大きく影響していたんですね。海外からの輸入化粧品は表示指定成分が含まれている者が非常に多く、指定成分表示の義務はそういう国にとって邪魔。
貿易の足かせをなるべく外したい日本政府も、成分の透明化は消費者のためという口実を使い、結局のところ人体に危険な化粧品がたくさん日本の市場に出回る事となったんですね。
そして不況、デフレの影響もあり、安価で劣悪な化粧品が、さも当たり前な顔で高級感をイメージづけるようなCMをし、ネットやTVではめちゃくちゃな情報が飛び交い、化粧品についての常識がめちゃくちゃになったまま消費者は危ない選択を続けている、というのが実情なんです今。
『使用できる成分』は当時、化粧品種別許可基準に記載されている約2900種類でした。この数が規制緩和によって約9000種類まで増えたんですって。
消費者がそんなもん全部把握できるわけないですし、結局化粧品会社は自社製品を売るために都合の良い情報を流すので、ハッキリ言ってまともな物がまともな形で使える可能性はかなり低いわけです。
ちなみに、化粧品のキャッチコピーってただの印象操作の言葉遊びだってご存知でしたか?
例えば「無添加」
この添加物というものが何をさすかというと、旧表示指定成分の事を指すんですね。
9000種類以上の成分が使えるようになってしまった現代では、旧表示指定成分以外の、人体に悪影響を与えるものがたっくさんあるのに、その102種類が入ってさえいなければ「無添加」と名乗れるんですって。怖いわ!
薬品なら医者や薬剤師の処方、アドバイスがありますし、流通経路も化粧品よりはるかに狭いですが、化粧品はどこでも手に入り、規制もほぼなく手に入ります。
だから僕らがしっかり皮膚や髪の構造を1から理解し、化粧品や薬品について学び、お客様との橋渡しにならないといけないんですね。化粧品会社の言いなりになってしまうようなサロンも多いのが実情だとも思いますが、少なくても何の目安もなく、ドラッグストアやスーパーで安いから選ぶという危険よりはましとも思います、正直。それも共感できる形ではありませんが・・・
そんなわけなので、化粧品選びに迷っていたり、ご自分やご家族、お友達のお肌や髪のトラブルでお悩みの方、ぜひとも頼ってみてくださいね。
今後、PPTでさらに日本人の健康がおびやかされていきそうな事がたくさんあります。
ほんとどこかで線を引いて安全なものを使うタイミングを見極めなければいけない流れにあると思うので、お気軽にご相談くださいね!